リフォーム費用を抑えるために、補助金や助成金を使うという手段があります。
国や自治体では、現在も申請を受け付けており、リフォームを実施予定なら知識をつけておいて損はないでしょう。
補助金・助成金が受けられるリフォーム内容は限られていますが、以下の3パターンであれば適用可能です。
今回は、現在申請が可能なリフォーム補助金・助成金制度について、その内容や条件、併用方法、申請方法まで詳しく解説していきます。

あわせて、さらにリフォーム費用を抑えられる各種減税制度・優遇制度も紹介していきますよ。
ぜひこの記事を参考に、少しでも安く、満足のいくリフォームを実現してみてください!
リフォームで活用できる補助金・助成金制度は大きく分けて2種類
リフォームで活用できる補助金・助成金制度には、大きく分けて国が給付するものと自治体から給付されるものの2種類があります。
まずは、それぞれの補助金・助成金制度について、おおまかに概要を掴んでおきましょう。
国が給付する補助金・助成金制度
リフォームの際に受けられる補助金で、最もイメージしやすいのが国から給付されている制度です。
日本の古い中古住宅は、省エネ性やバリアフリー面で性能が不十分な物件も多く、年々空き家が増加傾向にあります。
国からリフォームの支援がされている背景には、補助金や助成金によってそのような物件を再建し、長く使える住宅を増やす目的があるのです。
耐震やバリアフリー、省エネについてのリフォームはとくに重視される傾向にあり、その分補助金や支援制度が充実しています。
自治体が給付する補助金・助成金制度
国が給付するものとは別に、県や市区町村など、各自治体が実施している補助金や助成金の制度も存在します。
自治体が給付する補助金・助成金は、国費が充てられていなければ、国の補助金・助成金制度と併用できるのも大きな特徴の1つです。
ただし、対象のリフォームや補助額は各自治体によって異なるため、気になる人は各エリアの公式サイトや窓口で問い合わせてみましょう。
補助金・助成金がもらえるのはどんなリフォーム?
補助金や助成金がもらえるとは言え、すべてのリフォームで制度が適用されるわけではありません。

補助金・助成金が受けられるリフォーム内容は、大きく分けて3パターンに限られます。
それでは、1つずつ確認しておきましょう。
省エネリフォーム
「省エネリフォーム」とは、地球温暖化の対策を進めるために、二酸化炭素の排出量の削減につながる省エネルギー設備を住宅に設置する工事のことです。
- エコキュート
- 高効率給湯器
- 断熱改修
- 高断熱浴槽
- 太陽光発電
- 節湯水栓
夏は涼しく、冬は暖かく過ごせるように、高気密・高断熱の住宅にリフォームする際は補助金が適用されます。
耐震リフォーム
「耐震リフォーム」とは、古い住宅の耐震性能を向上することで、地震による被害を減らし、安全性を高めるためのリフォーム工事のことです。
- 住宅の基礎や柱、梁、筋かい、耐力壁の補強工事
このような補強リフォーム工事費はもちろん、住宅の耐震診断の際に発生する費用に対しても補助金は給付されます。
耐震リフォームで補助金を申請するには、事前に耐震診断を行うことが必須なので、費用を一部負担してもらえるのはありがたいですね。
バリアフリーリフォーム
「バリアフリーリフォーム」とは、高齢者や障害者が安全に生活を送れるように、手すりを取り付けたり、段差を解消したりするリフォーム工事のことです。
- 手すり設置
- 段差解消
- 床材変更
- 扉の変更
- 洋式便器への変更
トイレを和式から洋式に、お風呂の扉を引き戸に変えるなど、介護のために自宅をバリアフリー化する場合には補助金が受けられます。
いまから活用できる!国のリフォーム補助金・助成金制度6選
リフォームの際、国からの補助金・助成金を受ける場合、どのような制度があって、ご自身がどれを適用できるのか気になっている人も多いでしょう。

ここからは、いまから活用できる国のリフォーム補助金・助成金制度を6つご紹介していきます。
それぞれの申請方法も解説しているので、適用できそうな制度がある場合はメモしながら読み進めてみてください。
①既存住宅における断熱リフォーム支援事業
「既存住宅における断熱リフォーム支援事業」とは、断熱性能の高い窓やガラスを利用して既存住宅の断熱リフォームを行った際に、国から補助金を受けられる制度です。
申請方法
「既存住宅における断熱リフォーム支援事業」の申請期間と申請方法は以下のとおりです。
<交付申請期間>
- 令和4年9月12日(月)~令和4年12月9日(金)17時メール必着
<既存住宅における断熱リフォーム支援事業の申請方法>
- 申請様式ダウンロード
- 交付申請書および提出書類作成
- 申請書様式一式をメールで提出
- 返信メールを受信
- 電子媒体にデータ格納
- 1週間以内を目途に財団へ郵送で提出する
適用するためには申請を行い、審査をクリアして「交付決定通知書」の発行を受けてから、工事に移る必要があります。
交付が決まるよりも前に契約・着工した場合は、補助金の適用外となるため注意しましょう。
他の補助金・助成金制度との併用可否
「既存住宅における断熱リフォーム支援事業」のように国から受ける補助金は「こどもみらい住宅支援事業」や「長期優良化リフォーム推進事業」などの国から受ける別の制度とは併用できません。
ただし、各自治体が実施している補助金制度で、国費が充てられていないものとは併用ができるので、各自治体に問い合わせてみましょう。
②次世代省エネ建材の実証支援事業
「次世代省エネ建材の実証支援事業」とは、次世代の省エネ建材を利用して、既存住宅のリフォームを行う場合に、国からの補助金を受けられる制度です。
申請方法
「次世代省エネ建材の実証支援事業」の交付申請期間と申請方法について確認してみましょう。
<交付申請期間>
- 2022年9月5日(月)~2022年10月21日(金) 17時必着
<次世代省エネ建材の実証支援事業の申請方法>
- 申請様式のダウンロード
- 申請書類のデータ作成
- 申請書類をメールにて送付
まずは「一般社団法人環境共創イニシアチブ」のホームページにアクセスし、次世代建材のページから必要な区分の申請様式をダウンロードします。
申請様式の内容の指示通りにデータを作成し、メールで送付すれば申請手続きは完了です。
他の補助金・助成金制度との併用可否
「次世代省エネ建材の実証支援事業」は国から受ける補助金のため「こどもみらい住宅支援事業」や「長期優良化リフォーム推進事業」など国からの他の制度とは併用できません。
ただし、各自治体が実施している補助金制度で、国費が充てられていないものとは併用ができます。

補助金に国費が充てられているかどうかは、各自治体に問い合わせて確認してみてください。
③長期優良住宅化リフォーム推進事業
「長期優良住宅化リフォーム推進事業」とは、既存住宅を長期間住める状態にすることを目的として、設備や環境をリフォームする場合に受けられる補助金制度です。
申請方法
「長期優良住宅化リフォーム推進事業」の交付申請期間と申請方法について確認しておきましょう。
<交付申請期間>
- 令和4年12月23日(金)必着まで
<長期優良住宅化リフォーム推進事業の申請方法>
- アカウントを発行する
- 事業者登録をする
- 住宅登録をする
- 申請書類を作成する
- 交付申請手続きをする
所有する住宅をリフォームする場合は、補助事業者である施工会社が申請手続きを行う必要があります。
また、施工会社は、リフォーム工事の事業者登録や住宅登録を済ませてから手続きをしなければ、申請を拒否されてしまう点に注意が必要です。
他の補助金・助成金制度との併用可否
「長期優良住宅化リフォーム推進事業」も国からもらえる補助金なので、「こどもみらい住宅支援事業」や「既存住宅における断熱リフォーム支援事業」など国から受ける他の制度とは併用できません。
ただし、各自治体が実施している補助金制度で、国費が充てられていないものは併用ができるので、各自治体に問い合わせてみましょう。
④こどもみらい住宅支援事業
2022年に実施されたばかりの「こどもみらい住宅支援事業」は、子育て世帯や若者夫婦世帯が省エネ性能の高い新築住宅を購入する場合や、既存住宅に省エネリフォームを行う際に国から受けられる補助金制度です。
申請方法
「こどもみらい住宅支援事業」の交付申請期間と申請方法について確認しておきましょう。
<交付申請期間>
- 2022年3月28日 ~ 遅くとも2023年3月31日
<こどもみらい住宅支援事業の申請方法>
- 補助事業ポータルのアカウントを取得する
- こどもみらい住宅事業者に登録
- 公表情報の登録(任意)
- 工事請負契約の締結
- 共同事業実施規約の締結
- 工事着手
- 交付申請の予約(任意)
- 交付申請
補助金の申請手続きは、住宅の所有者ではなく、工事施工者や販売事業者が行います。
リフォームを依頼する人が自ら申請する補助金制度ではないので、注意が必要です。
他の補助金・助成金制度との併用可否
「こどもみらい住宅支援事業」は、対象事業が同一である、国の補助金制度とは併用ができません。
ただし、各自治体が実施している補助金制度で、国費が充てられていないものとは併用ができるので、各自治体に問い合わせてみましょう。
⑤戸建住宅ZEH化等支援事業
「戸建住宅ZEH化等支援事業」とは、年間のエネルギーの収支をゼロとすることを目指したZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)に対して、国から給付される補助金制度です。
ZEHとは、太陽光発電などのエネルギーを家庭で使用するエネルギーに充てることで、1年間で消費するエネルギーの量を実質的にゼロ以下にできる家のことを指します。
戸建住宅ZEH化等支援事業は、新築住宅に対してはもちろんのこと、中古戸建てのリフォームでも適用可能です。
申請方法
「戸建住宅ZEH化等支援事業」の交付申請期間と申請方法は以下のとおりです。
<交付申請期間>
- 三次公募:2022年8月29日(月)10:00 ~ 2022年10月21日(金) 17:00締切
- 四次公募:2022年11月21日(月)10:00 ~ 2023年1月6日(金) 17:00締切
<戸建住宅ZEH化等支援事業の申請方法>
- ハウスメーカーの選定
- 設計・補助金の申請
- 補助金の審査
- 工事着手
- 事業完了・補助金の実績報告書を提出
最初にZEH住宅に対応しているハウスメーカーを探し、1社を選ぶ必要があります。

ハウスメーカーが決まったら「工事請負契約」を交わし、ZEH補助金の申請書を作成するように依頼しましょう。
補助金の申請は、工事の着工開始前に済ませておく必要があります。
他の補助金・助成金制度との併用可否
「戸建住宅ZEH化等支援事業」で補助金を受ける場合は、国から給付される別の補助金制度とは併用ができません。
ただし、各自治体が実施している補助金制度で、国費が充てられていないものとは併用ができるので、各自治体に問い合わせてみましょう。
⑥高齢者住宅改修費助成制度
「高齢者住宅改修費助成制度」は、要支援または要介護認定を受けた高齢者が住む住宅のバリアフリー化で必要になる、リフォーム費用を補助するための制度です。
申請方法
「高齢者住宅改修費助成制度」の申請方法について確認してみましょう。
<高齢者住宅改修費助成制度の申請方法>
- 住宅改修についてケアマネジャーなどに相談
- 申請書類等の提出
- 工事着手
- 補助金の支給申請
- 補助金額の決定後に支給
工事完了後、発生した費用を証明できる領収書などの書類を市区町村に提出することで、正式な支給申請ができます。
その後は、各区の保健福祉センターの審査や、建築士による内容確認が実施され、給付金額が決定します。
他の補助金・助成金制度との併用可否
「高齢者住宅改修費助成制度」は、市区町村によって介護保険と併用ができない場合もあるため注意が必要です。
併用を検討中の場合は、事前に市区町村のホームページや窓口で併用が可能かどうか確認しておきましょう。
自治体のリフォーム補助金・助成金制度の例
先述したとおり、リフォームの際は、国からとは別に県や市区町村などの各自治体から、補助金や助成金を受けられる場合もあるのです。

各自治体のリフォーム補助金・助成金制度の例を6つピックアップして解説していきます。
今回紹介する例はあくまで一部ですが、該当エリアにお住まいでリフォームを検討中の人はぜひ参考にしてみてください。
既存住宅における省エネ改修促進事業(東京都)
「既存住宅における省エネ改修促進事業」とは、東京都内の既存住宅に高断熱窓や高断熱ドアを設置したり、太陽光発電システムを設置したりする場合に受けられる補助金制度です。
- 高断熱窓
- 高断熱ドア
- 太陽光発電設備
<補助金額>
- 窓:100万円/戸
- ドア:16万円/戸
- 太陽光発電設備:最大45万円
<申請受付期間および工事期間>
- 令和4年(2022年)6月22日(水)~令和7年(2025年)3月31日(月) ※必着
この補助金は東京都内であれば、戸建て・マンション問わず賃貸住宅でも申請できます。
東京ゼロエミポイント(東京都)
「東京ゼロエミポイント」とは、東京都内の住宅で、設置済みのエアコンや冷蔵庫・給湯器・照明器具を、省エネ性能の高い製品に買い換える際に受けられる補助金制度です。
現金ではなく、1ポイント=1円換算で商品券とLED割引券に交換できる「東京ゼロエミポイント」が付与されます。
- エアコン
- 冷蔵庫
- 給湯器
- LED照明器具
<補助金額>
- エアコン:最大19,000ポイント(LED割引券1,000円分+商品券18,000円分)
- 冷蔵庫:最大21,000ポイント(LED割引券1,000円分+商品券20,000円分)
- 給湯器:10,000ポイント(LED割引券1,000円分+商品券9,000円分)
- LED照明器具:3,000ポイント(商品券3,000円分)
- LED照明器具+取替作業費:(商品券5,000円分)
<申請受付期間および工事期間>
- 2019年10月1日~2023年3月31日 ※当日消印有効
この制度は、東京都内に住む個人が対象のため法人は申請できません。
また、LED照明器具は一人1台までとされているなど、一人あたりの申請回数に上限が設定されている場合もあります。
家庭における熱の有効利用促進事業(高断熱窓・ドア)(東京都)
「家庭における熱の有効利用促進事業」とは、東京都内の既存住宅の窓やドアを、高断熱窓や高断熱ドアに改修する場合に受けられる補助金制度です。
- 1つ以上の居室すべての窓に高断熱窓を設置
- 他の部屋や廊下、玄関の改修を行う場合:窓は1枚以上の改修でクリア
- 熱貫流率が3.49W/(㎡・K)以下のドア
<補助金額>
- 窓:50万円/戸
- ドア:8万円/戸
<申請受付期間および工事期間>
- 令和2年7月15日(水)~令和4年3月31日(木)17時まで
リフォームする住宅は、東京都内に位置する必要はありますが、住宅の所有者は都外に住んでいても申請できます。
ただし、この補助金は、2022年3月に予算枠を超過しており、現在は受付を終了しています。
世田谷区環境配慮型住宅リノベーション推進事業補助金(東京都世田谷区)
「世田谷区環境配慮型住宅リノベーション推進事業補助金」とは、世田谷区民が所有する世田谷区内の住宅で、省エネリフォームなどを実施する場合に受けられる補助金制度です。
- 外壁等の断熱改修
- 窓の断熱改修
- 屋根の断熱改修
- 太陽熱ソーラーシステムまたは太陽熱温水器の設置
- 高断熱浴槽の設置
- 太陽光発電システムの設置
- 家庭用燃料電池(エネファーム)の設置
<補助金額>
- 外壁等の断熱改修:工事費の10%
- 窓の断熱改修:工事費の20%
- 屋根の断熱改修:工事費の10%
- 太陽熱ソーラーシステムまたは太陽熱温水器の設置:工事費の10%
- 高断熱浴槽の設置:70,000円/台
- 太陽光発電システムの設置:工事費の10%
- 家庭用燃料電池(エネファーム)の設置:10,000円/台
<申請受付期間および工事期間>
- 令和4年4月1日(金曜日)〜令和5年1月31日(火曜日)まで ※必着
- 令和4年4月1日(金曜日)〜令和5年2月28日(火曜日)まで ※必着
- 令和5年2月28日(火曜日)までに工事を完了
令和5年2月28日までに工事を完了させる必要があるので、世田谷区の住宅でリフォームを検討中の人は早めに申請しておきましょう。
危険なブロック塀などの撤去費の一部補助(神奈川県相模原市)
「危険なブロック塀などの撤去費の一部補助」とは、地震発生時に転倒・倒壊のリスクがある、相模原市内のブロック塀などの撤去工事に対して適用される補助金制度です。
この補助金制度は、ブロック塀などの所有者や管理者が申請できます。
- 高さが1メートルを超えるもの
- 擁壁などの上にあり、高さの合計が1メートルを超える+ブロック塀などの高さが60センチメートルを超えるもの
<補助金額>
- 対象経費の2分の1(上限10万円)
- 重点地区内や通学路沿いに設置されているブロック塀など:対象経費の4分の3(上限15万円)
<申請受付期間および工事期間>
- 令和4年4月18日〜令和4年12月28日
- 令和5年2月28日までに工事を完了
ブロック塀などの所有者が、市税または国民健康保険税を滞納している場合に補助金を受けられないなど、制度の対象外とされる場合も多いので、相模原市の公式サイトを確認してみましょう。
民間戸建住宅等の耐震診断・改修等補助制度(大阪府大阪市)
「民間戸建住宅等の耐震診断・改修等補助制度」とは、平成12年5月31日以前に建築された大阪市内の民間住宅で、耐震改修工事などを行う際に受けられる補助金制度です。
- 耐震診断
- 耐震改修設計
- 耐震改修工事
- 耐震除却工事
<補助金額>
- 耐震診断:費用の11分の10(上限:5万円/戸、20万円/棟)
- 耐震改修設計:費用の3分の2(上限:10万円/戸、18万円/棟)
- 耐震改修工事:費用の2分の1(上限:100万円/戸)
- 耐震除却工事:費用の3分の1(上限:50万円/戸、100万円/1棟)
<申請受付期間および工事期間>
- 耐震診断、耐震改修設計、耐震除却工事:令和4年12月28日(水) まで
- 耐震改修工事:令和4年12月15日(木)まで
適用するためには、令和4年のうちに申請手続きを終わらせておく必要があるので早めに取りかかりましょう。
リフォームの補助金・助成金制度の注意点
リフォームの補助金・助成金制度を確実に適用するには、いくつか注意点を理解しておく必要があります。
それほど難しいものはありませんが、知らないままだと見逃すポイントばかりなので、この機会に確認しておきましょう。
申請者が居住する住宅でなければならない
基本的に、補助金・助成金を適用する際は、申請する人がリフォームする住宅に居住していることが条件とされています。
仮に家族であっても、別の場所に住んでいる場合は申請者と認められないため、リフォームの補助金・助成金制度は受けられません。
着工前に申請が必要なものが多い
リフォームの補助金・助成金制度を適用する場合は、基本的に工事着手前の申請を条件としていることが多いです。
工事の開始後や工事が終わってから申請を試みても受理されないので、適用する前に確実に手続きを済ませておきましょう。

リフォームの補助金・助成金制度の申請は、手続きの方法が複雑なことも珍しくありません。
工事着手前の申請の必要性はもちろんのこと、手続きの仕方がわからない場合は各窓口に問い合わせたり、公式サイトを確認したりしておくことをおすすめします。
工事完了日に条件がある場合が多い
リフォームの補助金・助成金制度は、工事完了日の期限を条件で課している場合も多いです。
申請期限の箇所に「〇月〇日までに工事を完了」と記載されている場合は、工事日をおおまかにイメージしてみて適用できるかを確認してみましょう。
予算の上限に達した時点で締め切られる
リフォームの補助金・助成金制度は、基本的に予算の上限に達した時点で締め切られる場合がほとんどです。
申請期限までに余裕があっても、先に補助金・助成金を受けられなくなる可能性も十分考えられるので、早めに手続きを済ませておきましょう。
リフォームの減税制度・非課税制度・優遇制度も活用しよう!
リフォームをする際は補助金・助成金の他に、減税制度や非課税制度、優遇措置で費用を抑えられる場合もあります。
リフォームの減税制度や非課税制度、優遇制度は、補助金や助成金と併用できる場合が多いので、適用できそうなものを確認しておきましょう。
所得税・固定資産税の減税
既存住宅で住宅ローンやリフォームローンを利用して、耐震やバリアフリーなどの特定の改修工事を実施した場合、所得税の減税が受けられます。
- 投資型減税:工事費用相当の10%減税
- ローン型減税::工事費用の2%+年末ローン残高の1%
- 住宅ローン減税:工事費用相当年末ローン残高の1%
また、既存住宅に耐震やバリアフリー、省エネの改修工事を行う際は、翌年分の固定資産税の減税を受けることも可能です。
- 耐震リフォーム:2分の1減額
- バリアフリーリフォーム:3分の1減額
- 省エネリフォーム:3分の1減額
- 長期優良住宅化リフォーム:3分の2減額
以下のように、所得税・固定資産税の減税の種類は大変多く、それぞれ対象となるリフォームや控除率・控除期間も異なります。
<所得税・固定資産税の減税の種類>
- 住宅ローン減税
- 省エネリフォーム減税
- バリアフリーリフォーム減税
- 耐震リフォーム減税
- 三世代同居リフォーム減税
- 長期優良住宅化リフォーム減税 など
固定資産税の減額は、所得税の控除との併用が可能なので、ご自身にとって最適のものを適用しましょう。
贈与税の非課税措置
通常、他人から金銭や資産の贈与を受けた場合には贈与税の支払いが義務付けられています。
しかし、両親や祖父母などから自身の住宅のリフォーム資金を受けた場合は、一定金額までの贈与税が非課税となり、支払う必要がありません。
当初、贈与税の非課税措置は、2021年末まで限定とされていましたが、2022年度の税制改正によって令和4年1月1日から令和5年12月31日までに期間が延長しています。
登録免許税・不動産取得税の特例措置
既存住宅を購入してリフォームした場合や、リフォーム後の既存住宅を購入した場合は「登録免許税」や「不動産取得税」の特例措置が受けられます。

登録免許税とは、国による登記などに課される税金のことです。
マイホームを取得する場合やリフォームされた中古住宅を購入する場合は、既存住宅の所有権の移転登記にかかる登録免許税の税率が0.1%とされます。
登録免許税の特例措置は、令和4年度の税制改正により、適用期限が令和6年3月31日まで2年延長されたことも特徴的です。
一方不動産取得税とは、名前のとおり、不動産の取得に対して課される税金のことを指します。
既存住宅の取得にあわせて特定のリフォームを行った場合、不動産取得税の軽減措置が適用されるのです。

新築年月日を基準に定められた控除額に税率を乗じた金額が、住宅の不動産取得税額から差し引かれます。
介護保険
一般的に40歳以上の人は、国の福利厚生制度の1つである「介護保険」に加入し、保険料を納めなければなりません。
保険料を支払い続ければ、65歳以上で「第一号保険者」となり、要介護認定で「要支援」もしくは「要介護」と認定を受けた際に介護給付を受けることが可能です。
条件を満たした人であれば、対象のリフォーム費用20万円のうち、9割の18万円が最大で支給されます。
地震保険料の優遇制度
地震保険料の優遇制度を利用することも、リフォーム費用を抑えるために有効な方法です。
この制度では、建物の耐震性が高いほど割引率が高くなり、最大で保険料の50%が差し引かれます。
- 新築:10%割引
- 昭和56年5月31日以前に建築された中古物件は割引なし:耐震改修すれば10%割引
- 耐震等級2等級の住宅:30%割引
- 耐震等級3等級の住宅:50%割引
新築する、または、昭和56年6月1日以降に新築するされた住宅を取得するだけで10%割引が適用されます。
昭和56年5月31日以前に建築された中古住宅を取得する場合、地震保険料の割引はありませんが、耐震診断割引が適用され10%割引が適用可能です。
フラット35リノベの金利優遇制度
フラット35リノベとは、中古住宅を購入する際にリフォームを行う場合やリフォームが行われた中古住宅を購入する場合に、金利優遇が受けられる制度のことです。
以下のように、フラット35の金利優遇には2つのプランがあり、それぞれ引き下げ率が異なります。
- 金利Aプラン:年0.5%引き下げ
- 金利Bプラン:年0.25%引き下げ
毎月の住宅費用の返済額を軽減したい場合は、金利が引き下げられる「フラット35リノベの金利優遇制度」の活用を検討しましょう。
リフォームの補助金・助成金制度についてのよくある質問
最後に、リフォームの補助金・助成金制度についてのよくある質問をまとめました。

これまでの記事の総復習とも言える内容なので、理解しきれていない箇所はもう一度読み返してみてください。
補助金・助成金がもらえるリフォーム内容は?
補助金・助成金がもらえるリフォーム内容は、主に以下の3パターンが挙げられます。
補助金・助成金がもらえる3つのリフォーム内容の詳細は【補助金・助成金がもらえるのはどんなリフォーム?】を参考にしてみてください。
いまから活用できるリフォーム補助金・助成金制度は?
いまからリフォームを検討中の人は、以下6つの補助金・助成金制度を適用できる可能性がありますよ。
いまから活用できる国のリフォーム補助金・助成金制度については【いまから活用できる!国のリフォーム補助金・助成金制度6選】で詳しく解説します。
リフォームの補助金・助成金を受ける際に注意することはある?
リフォームの補助金・助成金を受ける際の注意点は以下の4つです。
リフォームの補助金・助成金を受ける際の注意点については【リフォームの補助金・助成金制度の注意点】で詳しく解説します。
補助金・助成金以外に使える制度はある?
リフォームの際は、補助金・助成金以外に、以下のような減税制度・非課税制度・優遇制度を適用できる可能性があります。
リフォームの減税制度・非課税制度・優遇制度の詳細を確認したい人は【リフォームの減税制度・非課税制度・優遇制度も活用しよう!】をご覧ください。
まとめ
今回は、これから住宅の購入を検討している人や不動産をすでに所有している人に向けて、リフォームで利用できる補助金の種類や活用方法、申請方法について解説してきました。
リフォームで利用できる補助金は、大きく分けて国が給付するものと、自治体が給付するものの2つに分類されます。
リフォームの際はこれらの補助金だけでなく、所得税・固定資産税の減税制度や贈与税の非課税措置、地震保険料の優遇制度などを併用することでさらに費用を抑えられます。
住宅購入を検討中の人や不動産をすでに所有している人は、今回の記事で自身が適用できる制度の種類を理解し、費用を最小限に抑えてリフォームを実施しましょう。
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